2011年11月30日

あなたじゃなきゃダメと言ってもらうために

本日、久しぶりに美容室へ行ってきました。
長年お世話になっている、「この人じゃなきゃダメ~っ!」というぐらいに信頼しきっているピカイチの腕を持つ美容師Kさんのところです。

実は、美容室が苦手な私。何が苦痛かと言って、鏡の前で美容師さんとあのどうでもいい上辺だけの会話をしなければならないこと、世間話にニコニコ相槌を打たなければならないこと。疲れます。
その点、Kさんは天性のカウンセラーと言いますか、聞き上手。とてもリラックスした気分になれ、その上、深い話ができたりして(たぶん、相手によって異なる適した会話ができる人だと思う)、髪を切りに行くというよりも、Kさんに会いに行っているような感じです。

「お客さまの髪質、顔型、頭の形、雰囲気などから一番似合う髪形をプロの目から提案してほしいし、提案するのがプロの美容師さんじゃないの?」
と、思っている私にとっては、似合わないものは似合わないとはっきりきっぱり意見してくれ、いつでもお任せでステキなスタイルに仕上げてくれるKさんは、ホントに最高の美容師さんです。

ところで、この「Kさんじゃなきゃダメだ~」という強烈なニーズ。
「あなたと仕事がしたい」、「あなただから頼みたい」
私も常日頃そう言われて仕事をさせていただきたいなぁと思っています。

私より能力や技術に長けた方々はたくさんいらっしゃいます。
そんな中で、「あなたに」と思ってもらうためには、誰もマネのできない自分だけの強み、魅力をきちんと言葉にしてアピールできなければなりません。

「いい商品だけど…」、「決して悪くはないけれど…」決め手に欠ける。
「だったら、ここのじゃなくてもいいや、あそこのでも」

そうならないよう、圧倒的な強みを磨いて、ファンをつくる。
簡単なようでこれが難しい。
他人のことはよく見えても、自分のことは案外後回しになっていたりして。
気がつけば、まさに私がそうでした。
反省して、最近ではブログもすこーしだけマメに更新しています……(汗)。

2011年11月28日

スローフードとは何だったのか?(10)

イタリア的戦略!?見せ方上手で、走りながら状況適応

「何をやっているかよりも、どう見えるかの方が大切である」
これは、スローフード協会のカルロ・ペトリーニ会長の言葉だ。

「スローフード協会は大組織ではありません。グリーンピースなどに比べればたかだか10万人の会員。では、スローフード協会の強みとは何か? 自分たちの見え方を常に上手に計算して、少ない資金力で最大限の効果を上げてきたことなんです」
と、スローフードジャパン副会長の石田雅芳さん。

今回は、石田さん共にスローフード協会本部の広報戦略と方針についてみていく(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(9)

"おいしい、きれい、正しい"食品の世界イベント(9)サローネデルグースト.jpg▲2008年の「サローネ・デル・グスト」(photo/石田雅芳)。

世界中から集客する、さまざまな大イベントをしかけてきたスローフード協会。
中でも、スローフード協会の主幹イベントとなるのが、2年に1度イタリア・トリノで開催される「サローネ・デル・グスト」だ。
今や世界最大級の食の祭典として注目を集めている。

なぜ、このイベントが、こんなにも世界中の農業や食品関係者を熱狂させるのか?
スローフードジャパン副会長の石田雅芳さんに伺った
(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(8)

スローフードを守る、2段階プロモーション・下
クオリティの鍵は、細部の決め事


スローフードを守るためのスローフード的手法の核は、実は、スタッフが汗をかきつつ地域との協働で進める、きめ細やかで地道な作業にあった。

前回に続き、スローフード協会の2大事業、地域種や希少種を守る「味の箱舟(アルカ)」と、それらをつくる小規模生産者を地域で支える「プレシディオ計画」について、スローフードジャパン副会長の石田雅芳さんと、さらに詳しく見ていく(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(7)

スローフードを守る、2段階プロモーション・上
「買ってくれ」でなく、「おいしそう」と思わせる


スローフード協会の2大功績とも言えるのが、地域種や希少種を守る「味の箱舟(アルカ)」とそれらをつくる小規模生産者を地域で支える「プレシディオ計画」である。

消えゆく伝統的地域産品や在来種を掘り起こし、育て、プロモートし、実際の消費に結び付け、地域経済と社会に大きく貢献。つい多額のコストを使って派手な打ち上げイベントで終わってしまう日本の販促活動と違い、ロングセラー食品を生み出すその手腕には学ぶべき点も多い。

これら2大事業のスローフード的戦術と視点とは?
スローフードジャパン副会長の石田雅芳さんに聞いた
(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(6)

食の道理を知り、人生のリアリティを取り戻す

イタリアでは「味」へのこだわりと徹底した追求が、スローフード運動を生み出す原動力になってきた。

しかし、味覚は非常に個人的で主観的なもの。
この微妙で繊細な感覚をどのように他者と共有し、深め、広げていくのか?

第6回は、食育としても注目を集めるスローフード協会の味覚体験プログラム「マスター・オブ・フード」について、スローフード協会副会長の石田雅芳さんの話をお伝えする
(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(5)

議論を嫌い、枠を重んじる日本社会

スローフードが日本社会で一大ブームとなるも根付かなかった根本の原因は、日本人とその社会の特性にあった。

第5回は日本にスローフードが定着しなかった要因を探る最終回。

前2回(スローフードとは何だったのか(3)(4))で明らかにしてきたスローフードに対する日本人の捉え方をさらに掘り下げ、さまざまな場面でのイタリアや西洋と日本社会の考え方の違いについて、スローフードジャパン副会長の石田雅芳さんと共にさらに見ていく(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(4)

消費されてしまったスローフード

2001年のイタリア年を機に、熱狂的に日本に迎え入れられたスローフード。日本人は、スローフードというイタリアからの黒船に何を求めたのか?

日本人と西洋人のコミュニケーションの仕方や意識の違い。それらが明白になるにつれ、日本人独特の「性質」が明らかになってきた。

第4回では、日本でのスローフードの捉え方とイタリアのスローフード協会の思想とのかい離がどこから始まったのかを、スローフードジャパン副会長の石田雅芳さんと探っていく(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(3)

スローフードという黒船(3)ジャコモモヨーリ氏.jpg▲帯広市で行われたスローフード・ジャパンの国内大会で(2005年2月)。中央がジャコモ・モヨーリ氏。左はカルロ・ペトリーニ会長、右が石田さん(photo/スローフード帯広)。

2001年のイタリア年、日本中がイタリアブームに沸いた。
トレンドに敏感な人々がいち早く日本にスローフード協会の支部(コンヴィヴィウム)を開設。
その結果、複数の支部が各々スローフードを主張し活動。その構造がわかりにくかったため、結局のところ「スローフード」とは何なのかわからないままにブームが消え去った感がある。

あれほど熱狂的に迎えられたスローフードが、日本に定着しなかった要因はどこにあるのか?
第3回は、スローフードは日本にどのように入ってきて、どのように受け止められたのかを、スローフードジャパン副会長の石田雅芳さんと丁寧にひも解いていく
(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(2)

美味しい喜びを大事に、食から世界を変える!(2)カルロペトリーニ会長.jpg▲スローフード協会会長のカルロ・ペトリーニ氏(photo/Alberto Peroli)。

2000
年前後、イタリアから風のように日本にやってきて一時はメディアを席巻するも、いつの間にか風のように収束してしまったスローフード。

日本の食、農業、環境、ライフスタイルにさまざまな影響を与えながらも、日本国内ではその深い哲学までは理解が進まず、上辺をさらって消えてしまった感がある。

スローフードとはいったい何だったのだろうか?

第1回に引き続き、イタリアでスローフードが生まれた経緯、創始者たちの思いや運動のモチベーションとその背景などを石田さんに伺いつつ、この世界最大規模の食の運動の本当の姿を追っていく
(聞き手、構成/永田麻美)

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スローフードとは何だったのか?(1)

おいしくない、それはなぜ? から始まった運動(1)石田さん.jpg
▲スローフードジャパン副会長の石田雅芳さん(photo/林 泉)。

2000年前後、イタリアから日本にやってきたスローフード。一時は、食、農業、ファッション......あらゆるところにスローフードと名のつくものが溢れていた。
あれから10年が経ち、スローフードはメディアの表舞台から消えた。

あの喧騒はいったい何だったのだろうか? 
風にように日本にやってきて、いつのまにかメディアから消えて行ったスローフードとは何だったのか?

「あの時の日本のブームは表面をさらっただけ」と、スローフード協会イタリア本部唯一の日本人スタッフとして会長通訳を務め、現在スローフードジャパン*副会長の石田雅芳さんは言う。
「イタリアのスローフード協会はとんでもないインテリの集まりで、その運動はとてつもなくすごい」

今回から数回にわたり、当時の日本社会の反応を振り返りつつ、スローフードが伝えたかったものとは何なのか、今や全世界に10万人以上もの会員を有しなお拡大を続ける食の運動の真の意味を、石田さんと共に検証していく(聞き手、構成/永田麻美)。

*スローフード協会の日本での窓口。全国のスローフード協会各支部の国内代表機関。

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2011年11月26日

何のため、誰のための地域づくりなのか

長崎県の小値賀島へ行ってきました。3度目の訪問です。
今回は小値賀の物産開発のお手伝いでした。
今回もいろいろ思うところありました。いくつもの新しい気づきもありました。
詳細は、後日リポートさせていただくとして……。

小値賀は私の中で「特別」な島です。
人があることを特別だと思う理由は何でしょうか?
自分と他者(モノ)との間に、体験を通して思い出や記憶が紡がれ、両者の関係にある意味を見出した時。自分だけの深くて濃いつながりができたと感じたときではないかと私は思っています。

私が小値賀のファンになった大きな理由は、小値賀の人々との出会いです。
出会いを通して、町の自然が、文化が、空気が私の心の琴線に触れ、特別な意味を持ったからです。

言ってみれば、一方的に恋したような感じ?

単なる島を訪れる「旅人」、それも繰り返し訪れるヘビーユーザーならばいいんです、それでも。
でも、地域外の人間として、その地域にかかわる場合、一方的思い入れ、ラブコールは危険です。

地域づくりの立場・視点の場合、一歩引いて俯瞰するのは当然のこと、安易な発言は避けなければならないと思っています。
なぜならば、島に住んでもいない人間が偉そうに勝手なことは言えないと思うからです。
しかしながら、地域づくりの場面では、このシンプルな原則が忘れ去られがちです。

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2011年11月22日

嫌なことを嫌だと言う勇気

TPP参加問題。
野田首相は「まだ参加を決めたわけではない。関係国との協議に入っただけだ」とのたまっておられます。
時事通信の世論調査によれば「TPP参加賛成」が52.7%だとか。

6万人がデモを起こしても、9万人が署名をしても、泊原発は再稼働しました。
「TPPという協定はおかしい」、「日本にほとんどメリットのない協定をなぜわざわざ結ぼうと焦るのか?」
そうさまざまな人が声を挙げても、国会で参加反対する議員の数が増えても(与党の中には今も反対派が多いのに)、農業団体や消費者団体が署名活動をしても、首相はもう参加を決めている。
無力感です。

先日、スローフードジャパン副会長の石田雅芳さんにインタビューする中で、こんな話が出ました。
石田さんは福島県の出身。ご両親は今も福島市内に居住されています。
※石田さんのスローフード連続インタビューをジアスニュースに連載中。近日中にここにも全文掲載の予定です。

「原発の問題に数値や理論で推進派に反原発の意見を述べても対抗できない。同じ土俵で戦ってはダメなんです。僕は数値がどうだからというのでなく、 あの原発という、人間がもはやコントロールできないことが露呈した不気味なものに頼って生きるのが気持ちが悪い、嫌だと言ってる。推進派は『原発は嫌だと言いながら、 それに替る新エネルギーについてきちんと語れない反対派は無責任だ』と言いますが、ただ『嫌なんだ』と言ってはいけないのか。それを言う権利すら僕らにはないのか」

石田さんのこの言葉を聞いた時、私には腑に落ちるものがありました。
なぜ、世の中、全てが理屈でなければならないのでしょうか? 理屈で納得させられればそれで安心、OKなのでしょうか?
冷静沈着、客観性、経済効率、収益性……頭でばかり考えて、「心」で考えることを忘れてしまってはいないか。
あまりに私たちは、理屈に頼り過ぎてはいないだろうか。

不安な世の中だからこそ、本来備わっている感覚を研ぎ澄まし、本能をしっかりと働かせなくては。
そのためには、漠然とした感覚や感情をきちんと言葉にして主張しなければ。
そして、日本社会全体を覆う「空気」という名の気持ちの悪いものになど負けず、嫌なことは嫌だとはっきり言う勇気を持ちたいと思っています。

倉敷で野菜スイーツ談義

ようやく晩秋らしい気候になった感じです。
北の地方からは雪の便りも聞こえてきました。

少し前になりますが、11月の最初の連休、倉敷のイベント「倉敷jam」の一環で開催された食のトークショーに出演しました。
倉敷jamは今年4年目を迎える市民の手づくりジャズ祭。5日と6日の2日間、町のいろいろな場所が会場となって、ジャズの音色が響きます。
▲倉敷美観地区

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