2015年10月11日

継続できる「しくみ」をつくる

すっかり涼しくなりました。

夏が終わって秋になると、あとはもう一気に年末~年度末......。
今年こそ、秋移行に仕事が偏らないように動き出したつもりが、やっぱり、だんだんと後ろへズレていっている......ちょっと戦々恐々です。

さて、タイトルの「継続するための『しくみ』をつくる」。
先日、目からウロコが落ちるというか、得心したことがありました。

私、「しくみ」って好きじゃなかったんですよ。
そして、正直言えば、いまもあまり好きじゃないです。
もともと、型や枠にはめられることが嫌いなもので(笑)。

で、その「しくみ」。
たとえば、組織。たとえば、地域。
動かしているのは1人ひとりの「」です。
よく仕事は「」に付いてくる、と言いますが、そうした、「属人的」にならない仕事の進め方、組織の在り方として出てくるのが、「しくみ」なわけです。

ですから、このしくみ論を、特に地域づくりの文脈で大上段に主張されると、
「てやんでぇっ!そんな机上の理論に当てはめて、しくみをつくって作業を単純化して誰でもできるようにするって、工場の製造ラインじゃないんだから。どんな小さな仕事にだって、個人の判断力がいるんだから、その『人』を育てることなしに、しくみさえつくればOKなんて甘い、おかしい! 」
という思いがムクムクともたげてきて、反発するのが常だったわけです。

地域の場合、地縁血縁(そして、政治的)しがらみの中で、人間関係中心にモノゴトが動いている部分が多々あります。
あるシステムや構造にあてはめて機械的に動かそうとしても、うまくいきません。

しかし、私の中のその概念の扉が、先日、すーっと開いたんです。
きっかけは仕事のやり方や習慣について書かれたあるコラムでした。

成功する人は、自分のやる気を頼りにしない↓
http://toyokeizai.net/articles/-/86502

要するに、


「意欲や根性では続けることができない。続けるためには、自動的に続けられるように仕向けるしくみをつくればいい」
「そして、成功するまで、諦めずに続けること」


といったことが書かれていたわけですが、そのしくみというのが、「PDCサイクル」。

えっ。

P=Plan、D=Do、C=Check、A=Action って、これまた私が嫌いなワードじゃないですか......。

と、思って読み進めるうちに、「成功する人は、失敗という概念のないしくみをつくる」のブロックに書いてあった次の文章にビビッときたんです。


「失敗」という概念がここまで普及しているのは、日本独自のところがあるように思います。海外では「Fail」と言う言葉をあまり聞いたことがありません。あるのは、「does not work」です。「うまくいかなかった」という事実があるだけです。


あああ。

そうでした。
私は、いつも、「できない」、「できなかった(うまくいかなかった)」という地域の皆さんに、「ならば、どうすればできるようになりますか?」と、しつこく問いかけていました。

やろうとしていたわけです、そのPDCAを、皆さんと一緒に。

ある目標を設定して、計画を立てて(Plan)やってみたが(Do)、どうもうまくいかなかった。
どこに問題があったのか、何が壁になってできなかったのか? (Check)。
成功させるためには、その壁を乗り越える「別の方法(対策)」を考えて、次の行動を起こさなくてはなりません(Action)。

1案がダメなら2、3......と成功するまで諦めずに、手を替え品を替えて続けていく。
何もまっすぐ大通りを進まなくとも、時にわき道にそれたり、曲がりくねった道で遠回りしてもいいから、目標達成(成功)に向けて進んで行けばいい。

...と書くは(言うは)易し、現実の行動はそんなにうまく行かない、うまく行くわけないだろう!の主な原因となるのが、おそらく、Cの捉え方。

Cの所で「○○だからダメでした」、「○○という課題があるため、この案はダメです」「できません」と、立ち止まってしまう。
できない理由を、マイナス点を列挙して、諦め、 スルーしてしまう、あるいは失敗と見えないよう適当に取り繕ってそれなりの見映えの事業にしておさめてしまう......。

A=次の一手を考える時に、Pを見直すことも必要ですよね。
あくまでプラン(計画)は目標を達成するため=成功するための道程であり、それを計画通りに遂行することが目的ではないのですから。

大事なのは、「うまくいかなかったこと≠失敗」であるということ。

成功するまで、修正して、別のやり方で続けていけばいいわけです。
その目的を達成し成功したいのであれば。

できない、ダメな理由を列挙するということは、つまり......暗に「やりたくない」という意思表示をしているとも言えるわけです。

本当はやりたくない?みんなで会議をして、目標を決め、計画を立てたのに?

ならば、「やめましょう」という選択肢もあり、なわけですね。

ここでとっても日本的なのが、「やりたくはないけれども、いろいろなしがらみ上やらなければならない」、「やっておかないと恰好がつかないから」、なんて理由でダラダラと議論して、やっているフリをしてしまうというパターン。
あるいは、課題に向き合っているように見えて、面倒な部分は触らず、触れずに、新しそうな手段に飛びついて同じ課題に取り組み続けるから、うまくいかないわけですね。

Cの分析と捉え方、その結果としてのAが非常に重要なわけです。

地域や組織の場合、やはり、しくみだけでは動きません。
動かす原動力である「人」は、しかし、このPDCAサイクルの中でこそ、このサイクルのプロセスを数多く経験することでこそ、育っていくのだと、なんだか腑に落ちたのでした。

結論。
やりたいならば、やるだけじゃなくて、「やりぬく」こと。
まずは、自分のことから始めてみます。

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