2015年9月19日

やますけ農園サイトオープン+α

更新がぼつぼつ・時々なのはいつものことなのですが、また前回更新から2カ月ほったらかし。
で、気がつくと秋になっていました......。

この前、とうとう知人に言われてしまいました。
「ブログ、更新してください!読んでるんですから。書いてください!」

スミマセン!!!

しかし、私にとって、書くことは、ある意味大変なストレスを伴います。
言葉を紡ぐことは、難しいです、発言や発信には責任が伴うので。
どうしても、スラスラ書けないんですね...。

インタビューは好きなんですよ。
伺ったお話が本質論で示唆に富んでいたりすると、聞きながらワクワクドキドキしてきて、がぜん、書きたいモードになります。その方の心の声みたいなものが瞬間届き、一番主張されたい「肝」がお話の途中で「ビビッ」と分かった時(私の脳内でシナプスがつながる感じ)なんて、すごい勢いで私の中の世界が広がっていって楽しくてたまらなくなります。

それはさておき。ともかく、クライアントさまには常日頃、「HP、ブログはできるだけ更新しましょうね」なんて言っておきながら、自分がこれではイカンです...。

とはいえ、たぶん、これからもぼちぼちしかできないと思います。
ですから、どうかゆるりとお付き合いくださいますようお願いいたします。


さて、気を取り直して。
きょうはようやく、気持ちよく晴れ渡りました。

まずは、先日の鬼怒川の氾濫をはじめとする豪雨災害には驚き、胸が痛みました。被災されました皆さまには心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧で、穏やかな日常を取り戻されますようお祈り申し上げております。

私はといえば......この春夏から新しいことが一気に動き出して、なんだか慌ただしい日々を送っておりました。
大変ありがたいことに、「てまかえシスターズ」としてのお仕事の依頼も増えてきています。
「いよいよ私たちの時代が来る~っ!?(笑)」と、3人で盛り上がっているところです。

で、その、クライアントさまと私たちとの、ホヤホヤの協働作品がこちら↓
http://www.yamasukenouen.com/
この夏オープンしたばかりの、「やますけ農園」のリニューアルHPです。

依頼主は、福島県会津坂下町で平飼い自然養鶏を営む山口くん。
彼との出会いは、2年前の「グリーンツーリズム全国大会」。会津坂下分科会で私がコーディネーターを任されたのがきっかけです。
パネリストだった山口くんと何度もメールや電話でやりとりさせていただき、その後、山口くんから、彼が仲間と取り組んでいる都市農村交流事業のコーディネートを依頼されました。

彼にとっては、この交流事業や仲間と立ち上げた会社の行く末は、自分の養鶏の将来と直結していたため、必死でした。その真剣さ、真摯さに打たれた私は、彼が本業の養鶏(経営)で悩んでいることを知り、「まずは事業の考え方を整理しませんか?」と声をかけました。

彼のたまごは決して安くはありません。たまごには親鶏の食べた餌がそのまま入り込みます。そのため、彼は厳選した素材、餌を自家配合して、黄身の色を濃くするような食品や添加物は加えず、本来の「完全栄養食品」たるたまごの生産に日々丹精していました。

まったく臭みのない白身は甘く、まさに白身がおいしいと感動するたまご。
黄身はきれいなレモンイエローをしています。

価格は、そうした努力や工夫・思いの結果であり、メッセージなのですが、残念ながらいまひとつ伝わってきていないなぁ、非常にもったいない、と感じていました。

やますけ農園にはきちんと作られた大変立派なHPがありました。たくさんの情報が詰まっており、充実していました。
ただ、正直、どこをどう見ればよいのか、情報が多すぎるためにかえってわかりにくくなってもいました。

また、HPからは、やますけ農園の、山口くんのたまごの「コレ!」という特徴、強みが読み取れず、どこか決め手に欠ける印象も。
「平飼い」「自然養鶏」「国産鶏」「国産素材の餌」「動物福祉(アニマルウェルフェア)」といった、彼が強調したいワードが並んではいるのですが、それらがすーっと流れて、引っかからない......。

言いたいことがいっぱいあり過ぎて、それが整理されていないため、核となるもの=コンセプトが曖昧になってしまっていました。
漠然とした、よくある、聞きなれた、たとえば「安全・安心」のようなそれらしい言葉に置き換えられており、「良心的な真面目でこだわりを持った養鶏家」という以外に、彼らしさ、オリジナリティが見えてこなかったのです。

なぜ、そうしたHPになっていたか。

おそらく、作った時に山口くんの考え自体が定まっていなかったからでしょう。鶏の飼い方や餌へのこだわり等...だけでなく、「なぜ、この卵なのか?」という、最も底、奥にある「根っこ」の部分を突き詰めていなかったから。
そして、それは、自分の経営に確信が持てない→焦りから次々と別のことに手を出す→決定打にならず→空回り→悪循環を生み、結果、自身の考え方にブレが生まれてしまっていました。

そこで。

それからは、会うたびに、じっくりミーティング。カウンセリングです。
「なぜ、なぜ、なぜ......」としつこく、しつこく訊いていきました。
すると、「ああそういえば実は」と、出て来る、出て来る......。
ただ、それらは普段の会話やメールでは出てこなかったものでした。

顔を突き合わせて話すうちに、意識の底に埋もれていて彼自身も忘れていた、あるいは普段は意識していなかったことが、表に浮かび上がってきました。

「農業を始めたのは、家族のためだった」
「もともと烏骨鶏を主力商品にしようと思っていた」
「烏骨鶏は、体の弱かった妻のために飼い始めた」

そうして出てきたのが、「家族のためのたまご」というコンセプトです。
そして、『妻のためのたまご』(旧『烏骨鶏の卵』)、『娘のためのたまご』(旧『長いき卵』)という商品名が生まれました。

事業コンセプトを決め、商品コンセプトを見直し、それに合わせた新ロゴを提案しました。新たなネーミングを付けて商品のパッケージも新装し、HPと同じテイストのパンフレットもつくりました。

我々、「てまかえシスターズ」もがんばりました。
HPやパンフレットのコピーや文章は、何度もミーティングした中で山口くんが作ってきたものを私が編集、リライトしていきました。
不可能を可能にする優秀な次女の竹森まりえが、最適のシステムを提案し、ちゃちゃちっと手を動かしてHPをつくりあげました。ロゴ、デザインは三女の森川尚美の作品です。パッケージも何度も試作して、現在のものが出来上がりました。

やますけたまごのパックの中には、商品紹介のミニリーフレットの代わりに、それぞれ、「妻へ」「娘へ」の手紙が入っています。

山口くんに、「奥さんと娘さんに手紙を書いてください。それを商品の中に入れますから」とお願いしたところ、彼、お2人へのこれまでの感謝を込めたラブレター(普通のお手紙)を書いて来てくれました(笑)。

「じゃなくて、『妻のためのたまご』という商品に入れる、妻への(たまごに絡めた)手紙です、娘の...も同じです」、と説明し直して、再度書いてもらいました。

「僕、勘違いしてました...アハハ」

と、苦笑しながら、山口くんが、その手紙作成の過程のこぼれ話をしてくれました。

「あの手紙(最初の)。せっかく書いたからと妻に読んで聞かせていたら、途中から2人ともいろいろ思い出してボロボロ泣いてしまって。そしたら、そこに娘が学校から帰ってきて、娘も一緒になって、今度は3人でボロボロ泣いてしまって......」

そんな温かい絆で結ばれた山口家の主がつくる、家族のために食べさせたいたまご。だから、絶対の自信を持って、お客さまにおススメできる商品なのです。

その山口くんのたまごが、新たな幸運の出会いを生みました。
彼のたまごに惚れ込んだ福島市の蕎麦屋の二男・江口くんが、やますけたまご(「娘のためのたまご」)を使ったプリンのお店「プリン工房はちまん」をオープンさせました。
このプリンが、ほんっとに、絶品なんです...!!!
やますけたまごの優しい味を活かした、低温殺菌乳と甜菜糖のなつかしい味。でも、江口くん曰く、「まだまだ完成じゃない」。

できるだけ「地」の食材でプリンをつくりたいと、自身が納得できる高品質の素材、まずはたまごをと探し続けていた江口くん。

「山口さんのたまごを初めて食べた時、『わっ、ウマイ!!!』と感動して。『このたまごでプリンをつくりたいっ! これでつくったらどんなプリンになるだろう』と、もうワクワクしちゃって。『このたまごでつくろう!』と強く思ったんです」

この2人のコラボは、スゴイことになりそうです。


最後に、この前のブログでお知らせした島のお仕事のお話をちょっとばかり。
その島とは、東京都青ヶ島村です。7月末に「てまかえシスターズ」次女・竹森まりえと行ってきました。

神のご加護がないと辿りつけないと言われてきた神秘の島は、八丈島からさらにヘリに乗って行かねばなりません。9人乗りヘリ「愛らんどシャトル」初乗りで、次女と2人、わーわー言って興奮しましたよ~。

青ヶ島のお仕事はというと......島酒である青ヶ島焼酎=あおちゅうのPRのためのウェブサイト制作をということでスタートしたのですが、でもそのうち、なんだかいろいろいろいろ広がっていきまして...あれよあれよという間に、てまかえシ一大事業になってしまいました!もう、責任重大です!
張り切って、いいお仕事、させていただきますよー。

えー、その青ヶ島は火山の島なのですが、二重カルデラという珍しい形をしています。島の展望台から見たのがこれ↓
20150730_112752_1.jpg
真ん中のちょっとババロアみたいなポッコリの周りの平なところに、村人は居住しています。

海は沖縄の色と違って、深く蒼いんです↓
20150730_152021.jpg
これ、埠頭から撮った写真なんですが、釣りの撒き餌を投げ込んだら瞬く間にぶわっと魚が寄ってきたところ。順番にいろんな種類の魚種が見られておもしろかったです。まず、この細長い鉛筆みたいな魚が来て、その後に小さな魚が、それをめがけて大きな魚が寄って来る......というように。エンゼルフィッシュみたいな魚も底のほうをゆうゆうと泳いでいました。
そうそうウミガメも現れましたよ!

青ヶ島の漁港には防波堤がなく、船を係留できません。そこで、漁師さんたちは、戻ってくると、自らリモコンを操作してこんな風に船を釣り上げます。
20150730_164053.jpg
船はワイヤーを伝って、道路に置かれます。これは感動でした!

......と、来月末、今度はてまかえフルメンバーで訪島の予定です。
あおちゅうのすばらしさ、島の魅力、人間くさい島人たちをどんなふうにお伝えしようか、どんな媒体にしようかと、ドキドキワクワクしています。
何といっても、私には優秀な妹たちがいるので、百人、いや千人力です。
箱根大地.jpg
↑大地と一体になって、エネルギー充電して、地に足をつけて、これからも歩いていきます。