2013年9月25日

プロの仕事

話題のテレビドラマ『半沢直樹』が終わりました。
最終回は視聴率40%超えでしたね。
久しぶりにまともな日本のドラマを視たという気がしました。
でも、海外ドラマ派の私からすれば、あれが普通というか、ドラマはあのくらいのクオリティが当たり前、じゃなきゃダメだと思うのですけれどね。

私が普段、日本のドラマを視ない理由は、一重につくりのチープさにあります。
筋書きがすぐに読めてしまうお粗末な脚本とプロット、不自然で説明的なセリフ、何よりタレントありきでキャスティングされた俳優・女優の「?」がつく学芸会的演技......数え上げればキリがありません。

その点、『半沢直樹』は、まともにドラマをつくるとこうなりましたという見本のようなものでした。
まずはきちんとしたストーリー(原作、脚本)があって、役があって、それに一番はまる「芝居のできる」俳優陣を配役した。特に、舞台出身の演技力のある実力派で脇を固めた。主題歌がないのもいい! 制作側が、「いいドラマをつくろう」という目的志向で一丸となった結果です。

余談ながら、私がいい役者さんだなと思うのは、演じている俳優・女優・タレントその人を忘れさせ、私たち視聴者を物語にのめり込ませてくれる人。役が乗り移ったような人。

昨今、洋画や海外ドラマ、アニメーションの声をタレントさんがあてることが、話題づくりプロモーションには欠かせないとばかりに横行していますが、私は視る (聞く)に耐えません。若いアイドルやら芸人のへたくそな棒読みセリフを聞かされた日には、どんなに良い作品であろうとも、二度と鑑賞する気になりませ ん。
中には、声優としてもそん色ない演技をされるうまい俳優さんもおられ、スゴイなぁと思うこともありますが。

しかし、そもそも声だけで演技し表現することを職業としている人たちと、画面に顔や姿を出して全身で演技している人たちとは培ってきたスキルが違うと思うのです。そこはやはり、「プロ」の仕事です。

確かに、プロの声優さんの中には、いわゆるアニメ声が鼻についたり、セリフのイントネーションが大げさだったりで不自然に感じる方もいますが、ベテラン声優さんたちはさすがです。安定しています。
たとえば、私が大好きな『攻殻機動隊』の声優陣。どのキャラクターもホントにぴーったり の声! そして表現。少佐役の田中敦子さんの声、演技は知的で色っぽくてパンチがあって、あ~大好きです♡


あっ、スミマセン、だいぶ横道にそれてしまいました。
きょうの本題、プロの仕事について、です。

テレビドラマ『半沢直樹』に対する世間の高評価に、プロフェッショナルな仕事(ある対価を払うに値する仕事)をするって何なのだろうと改めて考えました。

①提示されたどのような条件下であっても、最高の仕事をする人
②環境や条件に関係なく、常に一定品質の仕事をする人
③仕事の質よりも、結果オーライ、そこそこ一般受けする(売れる)ものをつくれる人

ビジネス的にはまずは③だと言われるのでしょうか。
そして、次が②。①は③が達成できなければ、単なる自己満足......。
あまのじゃくな私は、ここでもへそが曲がってます(笑)。
①>②>③。それが私の仕事に対する考え方であり、プライオリティです。

与えられた環境下で、末端の受益者にとって最もベストであると思われるものを提示し、提供できること。
最終受益者≠クライアントであっても、それが最終的にはクライアントにとっての利益にかなうことを、クライアントを説得し、結果として達成し見せていきたい......。

要するに、いつも繰り返し私が言っていることですね。
情熱を持って、「目的志向」で取り組むこと。
まずは、独りよがりにならず、地道に誠実に、「まともな」仕事をすること。
たとえそれが、本流に逆らう流れであっても。

そうすれば、結果はおのずとついてくる。
それを、ドラマ『半沢直樹』人気が教えてくれているような気がします。