2013年5月16日

てまかえシスターズ四万十の旅で

最近、しみじみ思います。
私は、いま、やっと、「仕事」をしているんだなぁと。
ようやく、少~しだけ、現場の皆さんのお役に立てるような働きが、できるようになってきたかなぁと。
いえ、もちろん、まだまだです。

フリーランスになって6年目。
組織に所属していた当時も、かかわる地域の皆さんの笑顔のためにと思って自分ではその時々で全力投球してきたつもりでした。
しかし、今思えば、やはり中途半端。
というより、講演もアドバイス事業も、「その」時間に皆さんが満足してくだされば終わり。
さまざまな事情や制約があって、仕事としては、そこから先には踏み込むことができず。

私自身は、いつも消化不良と、靴の裏から足を掻くようなもどかしさを抱えながらも、日々の業務に忙殺され、いつのまにか「こなし仕事」になってはいなかっただろうか......。

振り返ってみれば、当時はそんなふうには思いもしませんでしたが、やはり、組織の名前と肩書の威を借りて仕事をしていたのだと思います。

そんな私の「仕事もどき」は、正直、本当に地域の役になんて立っていなかっただろうし、何よりも、純粋に地域の皆さんのことを考えて、それを仕事の目的にできていなかった(当時はしているつもりでした)。
おごっていました(反省)。
現場主義を貫いているようで、全くできていなかった......。

今、ですか?
違います!!!
だから、各地の現場の皆さんのお顔を思い浮かべながら、あれこれ考えるのが楽しいし、ワクワクするんです。
一緒に私も仲間に入れていただき、地域の皆さんが動き出すのを、思いが形になるのを、体感できるからです。

縛られる組織も、養うべき社員もいないのは、フリーランスであることのメリット。
生活のためのおカネは必要ですが、利益よりも、この仕事の真の目的、ゴールを達成するために一番いい方法だけを考え、瞬間瞬間懸命に全身全霊で臨んでいれば、不思議とおカネはついてくるものなんだなぁと実感しています。
今は、"純粋に"地域の皆さんと同じ目線で(と、そこに居住してもいない私がそんなことを言うのは、おこがましいのですが)、かかわる事業について考えることができます。

それもこれも、それぞれ異なる素晴らしい能力・才能・経験を持った2人の妹たち(てまかえシスターズ次女:竹森まりえ、三女:森川尚美)のおかげ。
彼女たちと協働することで得られた、多くの学びと刺激あってのことです。

1人では限界だったことも、3人ならばできます。
3人よれば文殊の知恵です。
考えが深まり、広まり、具体化する手段も増えます。
当然、現場の皆さんに総合的にお役に立てる提案が可能になります。

フリーランススタートは、長女の私が最後発で、次女、三女はこの世界の大先輩です。
2人の仕事への姿勢・考え方にはいつも敬服しており、2人は私の自慢の妹たちでありながら、私が心から尊敬する仕事人(プロフェッショナル)です。

その妹2人と一緒に、少し前、高知県四万十町へ行ってきました。
観光関連の仕事で、株式会社四万十ドラマ(オリジナル地域商品の開発・販売などでいま注目の地域づくりの住民会社)の取材に行くことになり、何気なく誘ってみたところ、「行く、行く~~~!!!」と、2人。

ということで、急きょ、「てまかえシスターズ四万十合宿」を決行~!
旅の起点は、次女の住む愛媛県。松山空港から次女の愛車で四万十町へと向いました。

「道の駅四万十とおわ」で、地場産品を見て、併設の「とおわ食堂」でランチをいただき、社長の畦地履正さんにインタビューしました。
長女が仕事のモードの間、次女はカメラ担当、「私は?」という三女には、かわいい笑顔担当をお願いしました(実際には、畦地さんインタビューは長女だけで行うことになり。三女の魅惑の微笑の出番はありませんでしたが)。

インタビューの詳細は、この仕事のクライアントさまの記事に譲るとして、今回の取材で1つ確信したことがあります。
畦地さんのあの揺るぎない自信とどこへ行っても「必ず営業!」の積極スタイルは、四万十町の皆さんの信頼を背負っているという強い責任感の証だということです。
その裏には、常に、町の将来に対する、いい意味での緊張感と危機感があるのだと思いました。

いつも逆転の発想で、マイナスをプラスに換え、地域の人々が手間暇かける仕事をおカネにして地域に返す。

その一端を、「どうぞ取材してください」と同席をお許しいただいた、「四万十また旅プロジェクト」(小さな旅、繰り返す旅をコンセプトにした、四万十川流域の体験事業者、宿のオーナー、観光協会、地域のデザイン会社などをネットワークした体験観光開発プロジェクト)の会議に見ることができました。

この日の会議のテーマは......オブザーブして初めて気づきました......「農水省の補助事業申請内容の検討」。
えっ? そんな内輪の話、しかも申請プロセスという「手の打ち」を外部に見せてもいいの?
一瞬驚きましたが、畦地さんはじめ、集まったメンバーの皆さんは我々の存在など意にも介さず、まったく自然体。
なごやかに会議は進行し、冗談とも本気ともつかないような意見がポンポン飛び出て、始終笑いがこぼれます。
でも、その場には、ずーっと流れていました、皆さんの「本気」と「熱意」という気迫が。

ゆるいけど、決して、本質を外さない。
それが四万十ドラマらしさ!?

スゴイです、四万十ドラマの関係者の皆さん!
斬新でユニークな発想の源が少しわかったような気がしました。

やはり、答えは、現場にありました。
現場で本気で必死で地域づくりに取り組む人たちには、かないません(当たり前ですが)。
もっと、もっと、謙虚に学ばなければなりません。

四万十の旅では、たくさんの気づきがありました。
少しだけ、突破口が見えたかな、そんな気もします。

四万十町の皆さんの明るいパワーにやられ、3姉妹のイマジネーションも膨らみ、道中の会話も盛り上がりました。
私たち、もっといい仕事ができるかも! より方向性が明確になり、さらに楽しくなってきました。

その勢いのまま、次女の実家のある愛媛県久万高原町へ。
地元の老舗林業会社の若手社長・Iさんと次女は今年、地域づくりのための会社を立ち上げることになりました。
なんと、そのプロジェクトを、てまかえシスターズでお手伝いすることになりそうなんです!

Iさんは、男性にしては珍しい(!)想像力に溢れる感性豊かな素晴らしい方。
そのIさんと次女が情熱をもって取り組むことだったら、これはお手伝いせねば、したい! と心底思いました。
久万高原町の皆さんと、町の将来について、一緒に語り合い、考えてみたいです。
その機会が、早くも6月末にやってきそうです。

すでに、三女の右脳が激しく動き出しています。
三女の世界がさく裂しそうなうれしい予感です。

今年の私たちに、どうかご期待ください!!!
そうそう、のびのびになっていた専用サイトも、夏ごろまでにはオープンさせる予定です。
そちらもどうぞ楽しみにお待ちくださいね~。

P4164095.JPG▲「とおわ食堂」でいただいた「とおわ満喫かご膳」。これに味噌汁とミニ青のりうどんと飲み物がついて1500円! しいたけが苦手な次女も、「ここのは食べられたわ~、おいしかった!」とびっくり大満足。撮影:次女(竹森まりえ)