2013年2月10日

稲城は、スゴイ!

稲城市(東京都)へ行ってきました。
農業経営者の皆さんを前にお話をさせていただいたのですが、私、声を大にして言います。

「稲城の印象が、大きく変わりました!」

稲城といえば梨。それも幻の梨と言われる「稲城」です。
「栽培農家が少ない」、「収穫時期が短い」、「日持ちがしない」ので市場には出回っていません。
実は、まだ食したことがないのですが、大玉でとにかくジューシー。その品の良い甘みは絶品なのだとか。

今回、お招きいただいた「稲城市農業者会議」を構成するのは、このブランド梨やこれまた東京のブランドブドウ「高尾」の、あるいは野菜栽培や酪農の匠たちです。
設立以来50年も(!)続いており、農協にも誰にも頼らず、自ら努力して販路を切り拓いて稼げる農業経営をするんだー!という誇りと気概持った、当時としてはとんがった先進的農業者の集まりだったそうです。

その誇りと気概は、今も健在でした。
私は大いに認識を新たにしたのでした......。



実のところ、最初に会場で皆さんを前にした時、私の頭の中をよぎったのは、「ああ、またか、、、」との思いでした(皆さん、本当に申し訳ございません、、、汗)。

と言うのも、「全員男性、高齢の方多し」という会合では、たいがい(私の経験では)、「(うなずきなどの)反応がない」、「表情がない」、「質疑時間に質問がない」の「ない、ない」づくしでしたので。

きょうも、私のお話なんて皆さんは期待されていないんだろうなぁ、反応だってないだろうなぁと半ばあきらめつつ、それでも、決して手は抜きませんから、とにかく懸命に全力で心を込めてお話させていただきました。

その結果。
私の予想は見事に裏切られました。

まず、話をしていて、皆さんの「目」が違うことに気づきました。
鋭いというか、光があったんです。

中には、ところどころうなずきながら聞いてくださる方もいました。

質疑の時間には、な、なんと、3人もの方が自ら挙手して質問してくださったのです。
皆さんの意欲的なお姿に、内心、私は驚き、同時に「すごいかも、この会は、、、」と思っていました。

皆さんとひざを交えてじっくりお話するには、やはり、懇親会の席です。
ここでもびっくり! な、なんと次々に皆さんが私に話しかけてくださり、稲城の農業やこれからの自分の農業について語ってくださるではありませんか。

すでに75歳を超える方も数名いらっしゃいます(もちろん、まだまだ皆さんバリバリの現役です)。
なのに、非常に柔軟な考えをもっておられ、将来に前向き・創造的なのです。
「もっとがんばろう、またがんばろうと思った」
と、おっしゃってくださった方もいました。
私は、もう、うれしくてしかたありませんでした。

そして、わかってきたのは、この会がとてつもない農業エリートの集団であったこと(市のご担当の方からメールでお聞きしてはいましたけど、かつての栄光なんてものじゃなく、今も現役で最先端を走っておられる理由がよくわかりました)。
もう1つ。幻の梨「稲城」など、現在の稲城農業のブランド・ステイタスをつくってきたのが、まさにこの方々であったこと。

だから、むしろ、「皆さんの下の世代の方々に、『もっと農業でおもしろいことしようよ』と呼びかけ、背中を押すようなことも大事ですね」と、懇親会の最後に申し上げたところ、「そうだ、そうだ!」と、皆さん。
残念ながら自治体としての知名度がいまひとつ......の「稲城市」のブランドイメージを、これからぐーんと上げていきましょうよ、という話で盛り上がったのでした。

稲城には、すでにスゴイものがあります。
その筆頭が、彼ら・匠たちです。

地域に対する人の印象は、「『そこで誰に会って、どんな話をしたのか』という体験が大きい」と、私は考えています。
稲城市でスゴイ人たちにに出会った私の稲城の印象は、「スゴイ!」に変わりました。

それに、品格ある優れた農業者がたくさんいる地域の底力って、スゴイんです。
各人に物語があって、その中に「あこがれ」の原石がゴロゴロしているからです。
それを見出し、磨き、周辺にある新しい芽を見つけていけば、小さな楽しいビジネスが生まれてくる可能性だってあります。

いかん、なんだかまたワクワクしてきました~(笑)。

稲城市の皆さ~ん、もっと多くの人に稲城のスゴさに気づかせ、驚かせましょうよ~!!!