「いいものを安く」という考え方(2)
「いいものを安く」という考え方(1) では、未来工業社の山田相談役の言葉を引いて、「いいものを安く」の姿勢そのものが日本経済停滞の原因の1つという考え方にも一理あり…と書きました。
一方で、「いいものを安く」が成立する世界もあると思っています。
「『いいものを安く』提供したい」と腐心する私の友人たちがいます。
彼らのそれはビジネス戦略なのではなく、また、強い経営理念・哲学によるものというより、「自然体」、「当たり前」。
純粋に「相手に喜んでもらいたい」という気持ちで動いており、自らの価値の提供、あるいは経営スタイルが買い手・食べ手とのコミュニケーションの1つにさえなっているように思えます。
もちろん、慈善事業ではありませんから採算ラインを考えて経営しなければなりません。
しかし、そもそも儲けを狙って始めた事業ではありませんから、「そこそこの儲け」、あるいは「とんとんでよし」とし、むしろ彼らの損得抜きの誠実な姿勢が顧客にまっすぐに伝わり、ヘビーなファンを獲得しているのもまた事実なのです。
宮城県南三陸町の三浦さき子さんもその1人です。