2012年4月 8日

地域活動と地域づくり

地域を元気にすること=地域活性化、地域づくり、地域おこしなど…いくつかの言葉で表現されます。
私が使うのは「地域づくり」。
「地域活性化」は、響きがカッコよいのですが、分かったようで分からない。
私にはしっくりきません。
「地域おこし」は、なんだか上から目線のように思えます。
地域を起こすって……じゃあ、その地域は寝てるってことですか?
それでは、その地域の方に失礼な気がします。
あくまで私の感覚です。

いえ、呼び方はどうでもよいのです。
きょうのテーマは、地域活動と地域づくりの違いです。

ここに、行政からも一目置かれているような活動的な団体・グループがあります。
とにかく、たくさんの活動を毎年精力的に行っている団体・グループです。
1つひとつの活動は、大変に素晴らしく、それを毎年複数行っているのですから、敬服に値します。

ただ、どれも地域活動なんです。
長年継続していても、なかなか地域活動から地域づくりへと発展しない…。
なぜそうなるのか。目的と手段のすり替え、いわば「手段の目的化」です。
たくさんの多様な個々の活動はあくまで地域を元気にするための手段です。
なのに、個々の活動を行うこと自体が目的化して、本来の目的が消えてしまっている、いえ、最初から、「目的」がないケースを多く見かけます。

自分の地域を「こうしたい」、「こうありたい」という絵を描かないまま、あるいは曖昧にしたまま、ただただ、走って行く……。
これではやがて活動はマンネリ化し、構成員は疲労し、活動全体が疲弊がしていきます。

地域活動は個々の動きであり、それを「こんな地域にしたい」という強い理念や哲学に基づき具体的な「絵」を描き、地域全体をコーディネート・マネジメントしていくことが地域づくりだと思うのです。

外部の人間が地域にできることなんて、たいしたことはありません。
しかし、当事者ではない分、全体を俯瞰することができます。
課題を整理し、道筋をつけ、一緒に方向を探ることができます。
そうして、私も共に歩ませていただきたいと思っています。