2010年4月 3日

地域づくり:大事なのはとにかく何かをやること? 目標?

春という季節が大好きです。
植物が目覚め、黄緑色の柔らかな若葉が陽の光に輝くのを見るとき、「ああ、生きててよかった」と実感します。

最近、ある会議に出て思ったこと。地域づくりの話です。

地域づくりの成果・効果は、短期間ですぐに目に見える、あるいは結論づけられるものではありません。
「地域が動き出す一定のベースができるのに、少なくとも10年」とは、私がお会いした多くの実践者がおっしゃっていることです。

そんな地域活性化の手法としてよく目にするのが、「課題抽出、資源(地域のお宝)発見、資源マップづ くり、課題解決に向けた提案、それに基づく何らかの活動」という一連のパターン(よく、課題抽出~提案までをワークショップでやったりしますよね)。
確かに活気を失っている地域で、有志が集い何かやろうと動き出すことは素晴らしいことです。
でも、ある会議で、地域活性化のイメージとして、このパターンを1セットとして繰り返しつつスパイラルアップしていく(より上のステージへと 登っていく)絵を見せられたとき、私は違和感を覚えてしまったのです。

活動グループがいくつもできた……なんだかいろいろやっているようだがそれぞれ勝手に動いておりバラバラ……そういう地域を数多く見てきました。
欠けているのは、地域全体を俯瞰し、いくつもの活動やグループ間をコーディネート・マネジメントして、地域をプロデュースする人材、機能、機関です。それなくして「何かをやり続ける」だけでは、地域全体が元気になる状態に持っていくことは困難だと私は思います。

さらに、先のパターンには重要なものが抜けています。「目標」です。
たいそうな目標でなくてもいいんです。
「将来、こんな地域にしたい」という夢を語ること。
夢を語ることでその夢と現実との壁になっている課題が顕在化します。
目標をよりリアルで現実的で具体的なものにしていくと、そこ に到達するためにまず何をやるべきかが見えてきます。
つまり、課題の取り組むべき優先順位が明らかになってきます。

疲弊している地域こそ、中長期の目標を定めそれに向かってすぐにでもやれることから始めなければなりません。
現場を動かしているのは人間です。地域づくりは人間関係の構築と似ています。
簡単にうまくはいきませんし、なかなか計画通りには進みません。
だからこそ、くじけず活動(事業)を継続させていくために、「クリアにイメージできる目標」が必要だと思うのです。

地域づくりは報告書や計画書、数字からは見えてきません。

2月末に開催された鳴子の米プロジェクト地域づくりフォーラムのリポートは、次回お届けします。