いま大事なのは命をつなぐために何をするか
福島第一原子力発電所の事故後、私の中の日本政府と東京電力、そして日本のマスメディアへの信用は完全に失墜しました。
まさに国難と言われるこの時に、自己や組織の保身に走っているとしか思えない対応には情けなくて悲しくなります。
よしんばそれが苦渋の決断であり、本人が心から望んでいないものであったとしても、今なお多くの国民の命が危険にさらされている状況の中でも良心に従えず平気でいられる神経が私にはわからない。
それが本当に国益につながるのか? 国を守ることになるのでしょうか?
以前から日本にはジャーナリズムはないと思っていましたが、ただただ大本営発表を右へならえで流し続ける主要メディアに、この国に民主主義なんてものがなかったことを改めて思い知らされました。
最初から政府報道に懐疑的だった私は、インターネットからさまざまな情報を得て読み込むうちに、事態は楽観視できないと感じていました。残念ながらそれは的中してしまいましたが、今さらながら、海外の専門家たちのほうがよほど、政府や東電、原子力安全委員会、原子力安全・保安院よりも福島第一原発の状況を正確に把握していたのだと、国内の主要メディアに出ている御用学者さんたちのお気楽さにあきれるばかりです。
いたずらに危機を煽る云々のレベルはもうとっくに過ぎて、事実はとんでもない事態なのですから、この状況の中でいかにして国民の命を守るか、しかも第一に考えるべきは、この国の将来を担う若い命を守ること、命をどうやってつなぐかということに尽きると思います。