Vol.2 風景を読む人、廣瀬さん。
大変永らくお待たせいたしました。
第2回目の「いちぐう人」は、環境デザイナー・東北芸術工科大学准教授の廣瀬俊介さんです。
廣瀬さんとの出会いは2000年頃。前職で農業雑誌『びれっじ』の編集長をしていた頃、岐阜県の古川町(現・飛騨市)へ廣瀬さんがディレクションされた『濁流のあと/アートミーティング/』の取材に行ったことがきっかけだったと記憶しています。
その後、『びれっじ』に環境デザイナーの視点からグリーン・ツーリズムについて連載していただきました。
一貫して「風土」にこだわる廣瀬さんの手法は、景観や環境という言葉で表されてきたものの構成要素を風土の視点からつなぎ直し、今、目の前に見えている風景がそこに存在する「意味」「理由」「関係性」を徹底的にあぶりだすというもの。
その作業を廣瀬さんは「風景を読む」と、呼んでいます。建物や場の設計をするのに写真を撮って記録するのではなく、自身の目で見たものを微細なスケッチに落としていきます。
「自分で描くという行為によって、より深くその場を観察します。描いているときの光の色、強さ、それによる建物の影、植物の色、密度など、気づくことは数多くあります」
大学では廣瀬さんの講義を熱心に聴く学生が多いとか。若者たちが「考える」おもしろさに目覚め始めています。
ものごとのつながり、関係性を考え、自らそれを科学的に読み解きつないでいく。
緻密で地道で本質的な廣瀬さんの独自の考え方・手法がどうやって生れてきたのか?
じっくりロングインタビューで廣瀬像に迫ってみました。